﻿[B7B7B7]　王の間が眼下に広がっていた。朽ちた
ローブを着た王は、青いオーブがついた
王笏の上に覆いかぶさるようにして骨と
化していた。彼が歌うと、洞窟の隙間か
ら次々と魂が流れ込んできた。
　オーブが魂を吸収すると、次第にまば
ゆい光が放たれはじめた。王の背後に
は長い階段があり、地下の部屋に続いて
いた。
　アレグラが言った。「数の上ではこち
らが有利だ。私があいつの注意を引く。
きみは――」一等航海士が口を挟んだ。
「いえ、私のほうが小柄で機敏です。
それに、神秘の力についてはあなたの
ほうが詳しい。私が回り込んで、注意を
引きます。王の相手は任せてください」
　そう言って、絹糸を持ち上げた。
「道はこの切れない糸が覚えていてくれ
ます」
「いい考えだが、一緒に行動すべきだ」
とアレグラは言った。一等航海士はかぶ
りを振った。「これ以上の案はありませ
ん。私のことはどうかご心配なく」
　ふたりは握手を交わし、お互いの手を
三度握りしめた。掌が熱くなった。
